シンガポールでの安全の手引き#6

ロングステイ財団、認定アドバイザーがご案内します海外旅行、留学、駐在、ワーホリなどのロングステイと海外旅行の情報案内。

本日も引き続き、外務省在シンガポール日本国大使館より2013年に発表されております「シンガポールでの安全の手引き#6」についてのご案内です。

シンガポールの治安状況の把握や、海外旅行保険、留学保険、駐在保険などの加入へのご参考にしていただき、くれぐれも現地での滞在にはご注意下さい。

※このブログの情報ソースについて、当発信者が外務省等へ著作権の確認と、

文章引用について関係部署への報告・確認を行い、皆様方にご案内しております。

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【交通事情と事故対策】

(1) 交通事情と運転時の留意事項

2012年中の交通事故による死亡者数は169名で、前年の195名から減少しました。

主な事故原因は、スピードの出し過ぎ、信号無視、飲酒運転、歩行者の信号無視横断などが挙げられます。シンガポールは、道路もよく整備されており、左側通行などの交通ルールや交通標識等も日本と共通のものが多いため、一方通行道路が多いことなどに慣れれば違和感なく運転できるようになると思います。ドライバーの運転技術やマナー、交通法規の遵守度も、東南アジアの他の国と比べると低くはないようです。

ただし、車道の幅が広くスピードを出す傾向にある、車間距離を詰めて走る、合図を出さずに頻繁に進路変更する、歩行者が道路を平気で横断するなどの問題もあり、交通事故の被害者或いは加害者にならぬよう十分な注意が必要です。

また、日本と違って車の運転手が歩行者を優先することがあまりなく、日本と同じ感覚で道路を横断すると思わぬ事故に遭うことになります。また、道路の横断が法律で禁じられている場所もあることから、歩行者の方は不便であっても横断歩道や信号機のある交差点を渡るようにして下さい。

交通事故を起こさない、また交通事故に巻き込まれないためにも、次に注意事項を列記しました。

<交通事故に巻き込まれないための注意事項>

(1)シンガポールの交通ルール、法規に早く慣れる。(主な交通ルールについて次頁で紹介します。)日本の交通ルールとは異なる点や日本人にはなじみのない交通標識等があります。当地の交通ルールや規則を写真入りで解説したものが書店で比較的安価に入手できます。

(2)制限速度を守る。スピードの出しすぎは、交通死亡事故原因の第一位を占めています。多車線で一方通行の走りやすい道路は、スピードを出しすぎる傾向がありますので、注意してください。

(3)シートベルトを着用する。後部座席の場合も着用する。

(4)運転中の携帯電話は、ハンドフリー装置(手を使わずに通話ができるのもの)付きでなければ使用しない。日本と同じように、運転中の携帯電話の使用には罰則規定もあります。

(5)車間距離を十分保つ。当地の運転者は、一般的に車間距離を詰めて走る傾向にありますが、追突事故を誘発する危険な行為ですので、特に雨天の際や高速道路運転中は十分な車間距離を保つ必要があります。最近、交差点の左折専用レーンにて右側から来る車両に気を取られすぎて前車に追突する事故も増えています。注意してください。

(6)歩行者の飛び出しに注意する。歩行者保護の施設(歩道、信号付きの横断歩道、歩道橋、ガードレール等)が十分に整備されておらず、歩行者の横断が禁止されているにもかかわらず、歩行者が車の列を縫うように横断する場面が多く見られます。いつ、どこから飛び出してくるか分からないので、十分な注意が必要です。

(7)オートバイとの接触、衝突に十分注意する。シンガポールでは、オートバイも多く走行しています。車線への割り込みや車両間直近のすり抜けなどが原因での接触事故や衝突事故が多発しています。進路変更時の十分な後方注意が必要です。

(8)道路工事に注意する。あらかじめの工事予告標識や交通整理員もなく、道路工事を行っていることがありますし、これが原因で渋滞が生じることもしばしばです。渋滞に巻き込まれ、イライラが原因で事故を起こすこともあります。前方の車の流れをよく見て、不意の障害物にも慌てないようにしましょう。

(9)横断歩道を渡る。歩行者が信号機のない交差点や道路、横断禁止の場所を横断中に事故にあう件数が増加しています。回り道でも、横断歩道を渡るようにしましょう。

(10)子供の手は離さない。日本と比べ、赤信号の点灯時間が長いところがあります。こうした場所では、歩行者による信号無視が横行しています。そうした歩行者に連れられて、子供が赤信号を飛び出したり、道路の反対側に友達を見つけて突然、飛び出すことも考えられます。特に、小さなお子様の手は出来る限りつないであげてください。

【飲酒運転】

飲酒運転は、判断力や注意力、運動能力を低下させ、大事故につながる危険な行為で、シンガポールでも大きな社会問題となっています。

飲酒運転で有罪が確定すれば、最低1年間は運転を禁止されることに加え、

初回で禁固6ヶ月以下又は罰金1,000~5,000ドル
2回目は禁固1年以下及び罰金3,000~10,000ドル
3回目では禁固3年及び最大30,000ドルの罰金

が科せられることになります。飲酒運転で交通事故を起こした場合にはさらに罰則が重くなる上、被害者への慰謝料の支払いで莫大な借金を背負う恐れや、刑務所に入ることで職を失う危険性もあります。

飲酒運転は絶対にしないでください!

【運転免許の切替え】

当地では、1998年3月から外国の運転免許証を当地の運転免許証に切り替える際に、交通警察の実施する交通法規等の学科試験(英語)に合格することが新たな条件となりました。これは、外国人に当地の交通法規等をよく理解してもらうことによって、交通事故を減少させようという理由から導入された制度です。

【事故の当事者となったら】

交通事故の当事者となった場合、加害者、被害者双方にとり、心身ともに大変な痛手を被ることになります。

加害者となった場合には、刑事責任(監獄での服役、罰金)、行政責任(運転免許証の停止、取消し)、民事責任(被害者への賠償)といった三つの責任が科せられます。交通事故を起こさないよう、平素から注意するとともに、やむなく交通事故の当事者となった場合は、あわてず冷静に対処することが必要です。

一次的な対処方法は、事故の態様や負傷者の有無等により異なりますが、一般的に次のようなことに留意する必要があります。

ア. 被害者の救護

イ. 警察、救急への連絡

ウ. 交通の確保と現場の状況の保存

エ. 双方の運転者の人定事項、車両番号、連絡先の確認、記録

オ. 目撃者、現場に居合わせた人、車両の記録

カ. 保険会社への連絡・相談、所属する会社等への連絡

物損事故のように怪我人がなく、軽微な事故の場合は、特別な場合を除き警察に届け出る必要はありませんが、所定のSAS (Singapore Accident Statement)を事故現場で当事者双方が作成し、24時間以内に保険会社、IDAC (Independent Damage Assessment Centre)、整備工場のいずれかに提出するとともに、加入している保険会社等に連絡し、その都度アドバイスを受けて相手側と交渉等を進めていくことになります。

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