海外でのケガ・病気でかかる緊急移送費用の実態

ロングステイ財団、認定アドバイザーがご案内します海外渡航情報。

本日は、海外で実際にかかった「移送費用の実態」についてのご紹介です。

緊急性が高い傷害や疾病の場合、治療ができない状況ですと隣国への移送などが考えられます。
その際に、かかる費用をご紹介致します。

また、本年最後のブログとなります。1年間ご愛読ありがとうございました。
来年もまた、海外旅行、留学、駐在などでのご渡航の際の現地情報収集のお役に立てるよう、
情報提供をしてまいります。
どうぞよろしくお願い致します!
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1.緊急移送

事故地の病院では治療が困難であり、医療設備の整った最寄りの第三国の病院へ緊急に患者を運ぶことがあります。特にチャーター機での移送は、飛行距離(迎えに行き、送り届け、戻る)、飛行ルートに応じて途中経由(給油)する空港の数(空港使用料)や、患者の容態にあわせて搭載する医療器具・酸素ボンベや、それら器具 類を搭載するに足る飛行機の大きさ・種類などで費用が異なります。また為替レートも大きく影響してきます。
よって「距離」「ルート」が同様でも「料金も同じ」というわけではありません。

(例)いずれもチャータージェット機で移送(医師・看護師付き添い)
・ベトナム⇒シンガポール(脳障害・肋骨骨折): 約250万円
・モルジブ⇒シンガポール(ダイビング中に溺れる): 約700万円
・モンゴル⇒日本(脳溢血):約1,600万円
・バリ島⇒シンガポール(多発性外傷・多重骨折):約480万円
・中国⇒日本(腰椎骨折):約490万円
・ラサ⇒中国⇒日本(脛骨・腓骨複雑骨折、下肢裂傷・挫傷):約600万円
・パキスタン⇒日本(肝炎)約140万円

 

2.日本へ転院するための移送

現地病院でフライトに耐え得る程度に容態が落ち着き、帰国して入院加療した方がよいと判断された場合、定期航空便を利用し、医師や看護師の付き添いのもと帰国することになります。航空会社や飛行距離、ビジネス クラス・ファーストクラス・ストレッチャー利用の違い、付き添い医師・看護師をどこから手配するか等に よって費用が異なります。

例えば上段でご紹介したラサでのケース、
路線バスに搭乗中にトラックに衝突され、脛骨・腓骨を複雑骨折、下肢に裂傷・挫傷。事故後搬送された病院から医療設備の整った他院に転院し、手術を⾏う。衛生面・医療設備の問題から、事故5⽇後、北京へチャーター機による搬送を⾏う。事故⽇から17⽇後、看護師付き添いのもとビジネスクラスにて⽇本に帰国。バス会社から3,000元の支払いあり。(22歳・男性)

(内訳)
現地治療費⽤ 625,793円
搬送費⽤ 6,038,750円
⽀払⾦額 合計: 6,664,543円

(移送費用例)
・医師付き添い+車椅子+ビジネスクラス利用:約150~200万円
・医師付き添い+ストレッチャー利用:約250~350万円

 

3.ご遺体の搬送

遺体移送不幸にも海外でお亡くなりになった場合、現地で火葬しお骨で帰国される場合と、ご遺体をそのまま日本へ運 ぶ場合の2種類があります。お骨の場合は、ご遺族の手によって運ばれるため移送費用は発生しませんが、ご 遺体移送の場合は航空貨物として運ぶ費用が発生します。丈夫で保冷の効く棺、現地および日本での検疫規定 に沿った防腐処理・その他処置費用、航空貨物運賃、陸上移送費用などで100~200万円程の費用が発生 します。事故地やご遺体の損傷によっては、さらに費用がかかる場合もあります。

 

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