フランスの医療事情とは?

本日は、外務省から発表されている世界の医療事情をご紹介。

日本人にも大変人気のある国「フランス」。
ミレニアムの記念か何かで、エッフェル塔から花火を打ち上げている
映像をTVで見た事がありますが、何だか東京タワーと違ってお洒落ですねぇ~

では、医療事情のほうはどうなんでしょうか??

衛生・医療事情一般

 フランスの衛生事情は概して良好に保たれていますが、都市部の大気汚染や
水質汚染等については他の先進国と同じ問題をかかえています。
医療水準は世界のトップレベルに達していますが、仕組みは日本と異なる点が
多くありますので、ご利用の際はそれらの特徴をよく知っておく必要があります。
例えば、救急専門外来というと日本では大きなけがや重病が対象になりますが、
当地ではすぐに処置を必要とする場合は重傷度に関係なく、また昼間でも救急外来
を受診する必要があります。
救急専門外来以外はすべて事前の予約手続きが必要で、薬についても医師の処方
箋を持って薬局に買いに行かねばなりません。
また、クリニックや個人開業医は検査を外部機関へ委託していることが多く、
この場合、レントゲンや血液検査も予約が必要となります。
医療費は原則として自己負担となりますので海外旅行傷害保険への加入が勧められます。
日本の公的保険の適用を受けるには、予め自費で支払っておき、
帰国後に領収書や診断書等を提出する必要があります。

かかり易い病気・怪我

 日本と同じように季節の変わり目や冬季に風邪、インフルエンザなどが流行
します。しかしフランス入国に際し、その予防接種の証明書がなければ入国でき
ないような特別な感染症はありません。
ただし、ユーラシア大陸の西端に位置し、欧州、中近東、アフリカの交流拠点
であるところから、当地以外の場所から持ち込まれる輸入感染症が流行する場合も
あります。そのため当地では、幼児から老人まで、B型肝炎、破傷風、細菌性髄膜炎
などの予防接種が積極的に行われています。
交通事故は、他の先進国同様、社会問題となっています。

健康上心掛ける事

(1) 日本に比べ湿度が通年にわたってやや低い事に加え、大気汚染の影響もあり
呼吸器系の弱い方は注意が必要です。特に冬季には暖房の効いたホテルなど
の部屋では一定の湿度を保つための工夫が肝心です。
(2) 日本から直行便で約12時間を要し、夏は7時間、冬は8時間の時差があります
ので、時差ボケに疲労が加わって健康への影響が懸念されます。
短期旅行の時はもちろん、日程に余裕のある時でも無理なスケジュールを組
まないように心掛けてください。
(3) 当地はサマー・タイムを採用しています。夏季は日が長く外出時間もつい長
くなりがちです。食事は生ものを避け、睡眠を十分に取る、等の規則正しい
生活リズムを崩さないことを念頭においてください。

予防接種

(1) 赴任者に必要な予防接種
種々の流行病、輸入感染症に罹る危険性がありますので、小児は日本の予防
接種法で決められたものを、成人は破傷風、できればA型肝炎、B型肝炎を接
種してきた方が良いでしょう。
当地では、AIR FRANCE SERVICE MEDICAL (Aerogare des Invalides
電話:08 36 68 63 64)で種々の予防接種が可能です。

(2) フランスの小児定期予防接種一覧

種類:/初回/2回目/3回目/4回目/5回目/6回目

BCG :/1ヶ月から
ポリオIPV:/2ヶ月/3ヶ月/ 4ヶ月/16ヶ月/6歳/11~13歳
DPT(DT):/ 2ヶ月/ 3ヶ月/ 4ヶ月/ 16ヶ月 /(6歳)/ 11~13歳
MMR :/12ヶ月/ 3~6歳
B型肝炎: 2ヶ月/ 4ヶ月/ 16ヶ月
Hib:/ 2ヶ月/ 3ヶ月/ 4ヶ月/ 16ヶ月

その他:ポリオは日本と違い経口ワクチン(OPV)では無く、不活化ワクチン(IPV)を用いている。

(3) 小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明
現地校に入学・入園する際、特に公立の場合は通常、上記の小児定期予防
接種の接種証明(certificat de vaccination)提出を求められます。
日本で発行された母子健康手帳を必ず持参してください。
足りない分は当地で接種することになります。
接種は上記のAIR FRANCE SERVICE MEDICALの他、総合病院、クリニックや
個人開業医の外来でも受けることができます。

日本語の通じる医療機関

海外旅行保険などのキャッシュレス治療を受けられる際は、
保険会社各社のアシスタンスセンター等でご確認ください。

※往診などについて
往診を依頼するときはSOS MEDECIN(電話:01 47 07 77 77)、パリの場合、
あるいはUrgence Medicale de Paris(電話:08 25 01 53 49)に連絡してください。
眼科ならばSOS OPHTHALMOLOGIE(電話:01 47 07 64 64)が受け付けています。
歯科の往診システムはありません。

※医療機関

◎ パリ■救急施設(順不同)

(1) American Hospital of Paris

所在地:63, boulevard Victor Hugo, 92202 Neuilly
電話:01 46 41 25 15(日本人セクション)
概要:総合病院。日本人セクションで通訳サービス等が受けられます。

(2) Necker-Enfant Malades病院

所在地:149-161, rue de Sevres, 75015
電話:01 44 49 42 90
概要:小児科の救急病院。耳鼻咽喉科・外科系疾患も含まれます。

(3) Hopital Quinze-Vingt

所在地:28, rue de Charenton, 75012
電話:01 40 02 16 80(救急)
概要:眼科専門病院。

(4) Hotel Dieu病院

所在地:2, rue d’Arcole, 75004
電話:01 42 34 80 36(救急)
概要:眼科

(5) Sainte-Anne病院

住所:1, rue Cabanis, 75014
電話:01 45 65 80 00(代表)
概要:精神科

■外来・診療所(日本語若しくは英語で受診が可能なところ。順不同)

(1) 総合病院 American Hospital of Paris(入院設備あり)

所在地:63, boulevard Victor Hugo, 92202 Neuilly
電話:01 46 41 25 15(日本人セクション)
概要:総合病院

(2) Dr DUPAS

所在地:24, rue de Berri, 75008 Paris
電話:01 45 62 80 75
概要:内科・鍼灸治療。

(3) 近藤毅医師

所在地:55, avenue du Maine, 75014 Paris
電話:01 42 79 03 81
概要:循環器内科。

(4) 竹原英一医師

所在地:186, avenue Victor Hugo, 75116 Paris
電話:01 45 04 56 42
概要:内科・小児科・鍼灸治療

(5) Dr DOUIEB

所在地:65 bis, avenue Victor Hugo, 92100 Boulogne Billancourt
電話:01 46 03 37 24
概要:産婦人科・内科・小児科

(6) Dr BRIOT

所在地:116, rue de Rennes, 75006 Paris
電話:01 42 84 00 52
概要:皮膚科

(7) 眼科 Dr COHN

所在地:45, rue Vineuse, 75016 Paris
電話:01 53 65 68 10
概要:皮膚科

(8) Dr MSIKA

所在地:196, avenue Victor Hugo, 75116 Paris
電話:01 45 04 79 00
概要:整形外科

(9) 精神科 太田博昭医師

所在地:59, boulevard Victor Hugo, 75015 Paris
電話:01 45 33 27 83
概要:精神科

(10) 谷村Remy医師

所在地:8, place du General Cartoux, 75017 Paris
電話:01 56 33 81 81
概要:歯科

(11) Dr MOREAUX

所在地:9, rue Marguritte, 75017 Paris
電話:01 42 27 84 34
概要:歯科

(12) Dr SARFATI

所在地:107, rue de Longchamp, 75116 Paris
電話:01 47 27 33 32
概要:歯科

■空港クリニック

(1) シャルルドゴール空港 Roissy-Charles de Gaulle Centre Medical

所在地:Aerogare 2, Terminal A, Niveua 0
概要:診察時刻8 :00~20 :00。
電話:01 48 62 28 00

(2) オルリー空港 Orly Sud Centre Medical

電話:01 49 75 45 14
概要:毎日8:00~17:45。土日休診

■その他の詳細情報入手先

在フランス日本国大使館 http://www.fr.emb-japan.go.jp/

EF007_L

★現地医療用語一口メモ

 医師  medecin (メトゥサン)
薬  medicament (メディカマン)
錠剤  comprime (コンプリメ)
カプセル  capsule (カプスュル)
包  sachet (サシェ)
液剤  solution buvable (ソリュスィォン ビュヴァブル)
注射  piqure (ピキュル)
頭痛  mal a la tete (マララテトゥ)
胸痛  mal a la poitrine (マララプワトゥリヌ)
腹痛  mal au ventre (マロヴァントゥル)
下痢  diarrhee (ディアレ)
発熱  fievre (フィェヴル)
吐気  nausee (ノゼ)
傷  blessure (ブレスュル)
具合が悪い。  Je me sens mal. (ジュムサンマル)
病院へ連れて行って下さい。  Conduisez-moi a l’hopital, s’il vous plait!
(コンドュイゼムワ アロピタル スィルヴプレ)

EF014_L

病気になった場合(医療機関)

※緊急時の対応について

海外旅行傷害保険に加入している場合は、提携しているアシスタンス会社に電話
すると全て日本語でサービスが受けられますので、保険契約書をご参照ください。
通常、救急車を呼ぶ場合、電話は15番、S.A.M.U. (Service d’Aide Medicale
Urgente=公営)にかけてください。
S.A.M.U.はフランスの緊急医療援助体制の略で、フランス全土をネットワークで
結んでいます。15番は国内の多くの都市で共通です。
救急車には医師が同乗しており救命装置が準備されています。
救急車の依頼料金は30分あたり250ユーロ、電話による緊急医療相談は無料です。
歯科については、パリの場合、SOS Dentisteへ必ず予約(電話:01 43 37 51 00
または01 43 36 36 00)をして、受診してください(住所 87, boulevard
Port-Royal, 75013)。夜間、休日でも受け付けています。