海外での注意一秒、ケガ一生

 今回はヨーロッパで特に多い「スリ」にスポットをあて、
日本人の被害傾向をご紹介します。

『パリ地下鉄を利用した30代男性。オペラ座駅のエスカレーターに乗ったら、
すぐ前の男がタバコを落としたので拾おうとしゃがみこみんだ。その男を押し倒す
訳にも行かず、行く手をさえぎられたまま気を取られている間に、後ろから来た別
の男にズボンの後ろポケットから財布を抜き取られた。2人組のスリによる連携
プレーであった。』

『イタリアのローマ市内を観光していた20代女性。突然、街角で数人の子供に取り
囲まれ、新聞を身体に押し付けるように見せられた。わけがわからず、また何を
言っているのか判らなかったので聞こうとしたが、子供たちはすぐにクモの子を
散らすように走り去ってしまった。持っていたハンドバックが開けられ財布が無く
なっていたのに気が付いたのは、その直後だった。』

 これらは典型的なスリの被害例ですが、スリの手が届かないよう自分の近くに
不審な人物を寄せ付けないようにしていれば、防ぐことができました。
 例えば走って逃げたり、大声を出して不審者を追い払うことで被害に遭わずに
済むのです。

 しかし、対策は比較的簡単なのですが、スリの手口も実に巧妙で人間の心理を
うまくついてきますから、予備知識と心構えがなければ大抵の方は防ぐことができ
ません。それにしてもいつもの満員電車に慣れているせいでしょうか、赤の他人が
自分の身体に触れてもさほど気にしません。いや、気にしないようにしているのか
もしれません。しかし、よく考えてみればわかりますが、さほど混雑もしていない
場所で他人が自分の身体に触れて来るのは偶然か悪意かのどちらかしかありません
。混み合う場所でもないのに身体に触れて来る他人には気をつけねばならないのが
、海外では常識と考える必要があります。

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「変だなと思ったら、確かめよう自分の財布と貴金属」