海外感染症シリーズ (口蹄疫)

本日は、厚生労働省検疫所から発表されております、
海外感染症情報のご案内です。

気をつけていたとしても感染症は、私たちの見えない場所から
知らない間に感染する恐ろしい病気。

「相手を知る」意味でも、ご参考にしていただけたら幸いです。

本日は、「口蹄疫」について。

口 蹄 疫
Foot and mouth disease

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  口蹄疫の発生は、すでに16世紀中期にイタリアで発生が報告されています。その
後、原因がウイルスであることが判明した19世紀末までに、ヨーロッパ、アジア、ア
フリカ、南北アメリカなど、ほぼ世界的な発生がみられています。現在もヨーロッパ
の一部で散発的な、また南アメリカ、アジア及びアフリカ諸国の広範な地域で常在的
な発生があります。1997年の時点で、長年口蹄疫の発生のない国は、日本、韓国、オ
ーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、スウェーデン、ノルウェー及
びその他の数カ国です。しかし、わが国でも2000年に牛の口蹄疫が確認されました。
また、韓国でも2000年に乳牛に口蹄疫が発生したことが報告されました。2001年には
英国で豚の口蹄疫が、フランスでは牛の口蹄疫が発生しています。英国の口蹄疫は、
2002年初めに根絶宣言が出されました。

1 病原体

 口蹄疫ウイルス(Picornaviridae Aphtho)

2 感受性動物

 牛、豚、羊、山羊、鹿など主に偶蹄類に感染します。

 口蹄疫ウイルスは濃厚な接触があると極めて稀にヒトにも感染することがあります
が、軽い発熱と水泡(唇、頬、舌、指と足)ができる程度で完全に回復します。

3 症状

 主な臨床症状としては、発熱、流涎、蹄部・口部(舌・唇等)の水胞形成、歩行困
難、流産などがあり、発症すると急激に痩せ、幼畜では死亡することがあります。

4 診断方法

 血清学的検査により抗体の確認、または水胞材料からのウイルス分離を行います。

5 予防方法

 ワクチンが用いられることもあるが、現在は発症獣の淘汰による清浄化の推進が中
心となりつつあります。

6 治療方法

 治療法はいまのところ知られておらず、またウイルスの伝染力がきわめて強いため
に、感染した家畜はと殺(焼却処分)するしかありません。
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