強盗に豹変するタクシー運転手

メーターが細工されていたり、大きく遠回りされたりして法外な料金を請求されるケ
ース、あるいは頼んでもいない店に連れて行かれて、その店で強引に品物を買わされ
るケースなど、タクシーに関する被害は世界中で発生しています。

また、乗り込んだ車の運転手が強盗に豹変し、被害に遭った旅行者もいます。

『欧州の旧社会主義国を旅行したAさん。客待ちしていた白タクでホテルへ向かっ
たところ、全く違う方向にタクシーが進んでいることに気付き、運転手を問いつめ
た。運転手はタクシーを急停車させ、Aさんを車外に引きずり出し、殴る蹴るの暴行
を加えた上で現金、ネックレス、ベルト、靴などを奪って逃走した。』

『中米の大都市に在住のBさん。流しのタクシーに乗って帰宅したところ、通常の
3倍の料金を要求された。交渉しようとしたら、突然ナイフを所持した2人組の強盗
がタクシーに乗り込んできて、現金などを奪われた上、約2時間連れ回された。タク
シー運転手は、家に向かっているときから、突然スピードを落としたり、青信号で停
止するなど不審な動きをしていたので、運転手は共犯で、後を付けていた強盗犯を気
にしてスピードを調整していたものと思われる。』

『個人ツアーで北米の空港に降り立ったCさん。到着ロビーで名簿のようなバイン
ダーを手にしたガイド(を装った者)に名前を尋ねられ、「お待ちしておりました。
あちらの車にどうぞ」と言われたので、案内された車でホテルへ向かった。
ホテルに到着したところ、法外な料金を請求された。』

『東南アジアの観光地へ旅行したDさん。空港の到着ロビーで予約したホテルの運
転手を探していたところ、Dさんの名前を記したプラカードを持った男が日本人かと
声をかけてきた。Dさんが、ホテルの者かと訪ねたところ、そうだと答えたので案内
された車に乗り込んだ。同時に両脇から別の2人の男も乗り込んできた。しばらく経
ってもホテルに到着しないため問い質したら、いきなり多額の現金を支払うよう要求
された。そんな金は持っていないと答えたら顔面を殴られ、所持していた現金と携帯
電話を奪われて車から放り出された。
Dさんの名前がどうして分かったのか未だに謎である。』

タクシーを利用する場合は、タクシー乗り場から正規のタクシーを利用し、営業許可
を受けていない白タクには絶対に乗らないようにしましょう。

また、空港などでは、旅行者の荷物に付いているネームタグから読みとった氏名やツ
アー名などで呼びかけて旅行者を油断させる手口もあります。あらかじめツアー会社
に運転手の名前を確認しておいたり、自分が行くはずのホテルの名前を運転手に問い
ただすなどの対策を心掛けてください。