アメリカ 査証、出入国審査等について

本日は各国の「査証・出入国診査」のご案内。

本日はアメリカ。
このシリーズ、ブログアップ時での査証・出入国診査情況ですので、
各国の事情により、制度の変更等があった場合はどうぞご了承下さい。

査証、出入国審査等

査証(ビザ)

(1)査証免除プログラム

(イ)日本と米国の間には査証免除取極が結ばれており、一定の条件の下、米国は日
本のパスポートを所持する者に対して、査証無しで入国審査を受けることができる査
証免除プログラム(以下「査証免除プログラム」)を実施しています。

 査証免除プログラムの対象者は、機械読み取り式のパスポート(MRP: Machine Read
able Passport)を所持し、観光または商用等、収入を得る活動を伴わない目的で、米
国(米本土およびアラスカ、ハワイ、グアム、プエルトリコ、米領バージン諸島を含
む)に90日以内の短期滞在をする人に限られ、かつ米国への入国の際には米国と査証
免除者の取扱いに関する協定を結んでいる航空(船)会社の航空機(または船舶)で
到着し、帰国のための切符(またはカナダ、メキシコ、カリブ海域諸島等の隣接国以
外の国に向かう切符、又はこれらの国を経由して他の国に向かう切符)を所持してい
る人に限られます。

 なお、査証免除プログラムの規定については、9.11テロ事件以降、より厳格に取り
扱われるようになっています。例えば、同プログラムによる滞在期間(90日)を1日で
も超過した場合、以後の米国渡航にあたっては同プログラムが適用されず、査証の取
得が義務づけられます。このため同プログラムによる渡航を行う場合には、査証免除
期間内に必ず出国できるよう余裕を持った渡航計画を立てることが大切です。また、
かつて同プログラムにより渡航をした方で、その際にプログラム違反の可能性があっ
たと思われる場合には、次回の入国時におけるトラブルを避けるためにも、予め査証
を取得した上で渡米することを強く推奨します。

(ロ)米国の電子渡航認証システム(ESTA)の導入

 2009年1月12日から米国の入国制度が大きく変更されますのでご注意ください。観
光、短期商用等の90日以内の短期滞在目的で米国を訪問される場合は、査証(ビザ)
が免除されており、米国の査証を取得する必要はありませんが、事前に電子渡航認証
システム(Electronic System for Travel Authorization:ESTA)に従って申請を行
い、認証を受けていないと、米国政府によれば、米国行きの航空機等への搭乗や米国
入国を拒否されます。

 詳しくは、在京米国大使館のウェブサイト(日本語)
( http://japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-esta2008.html )や、
米国国土安全保障省のウェブサイト(英語)
( http://www.cbp.gov/xp/cgov/travel/id_visa/esta/ )
等をご参照ください。

 査証を取得していない場合とは、米国において乗り継ぎするケース等も含まれま
す。また、ESTAは査証免除者を対象としていますから、既に留学や就労の米国査証を
お持ちの方は、ESTAへの申請は必要ありません。

 ESTAへの申請は、専用のウェブサイト https://esta.cbp.dhs.gov/ から行います。
日本語表記のサイトもありますが、入力自体は英語で行います。入力する内容は、こ
れまで米国入国に際して提出していた出入国カード(I-94W)と同じで、名前、生年月
日、性別などの申請者情報、パスポート情報、渡航情報の他、いくつかの質問に対
し、はい、いいえで答える形式となっています。インターネット環境のない方や英語
が分からない方等は、申請者本人以外が代行することも可能です。旅行会社で旅行を
申し込まれた場合、別途の契約として申請を代行してくれることもあります(この場
合、旅行会社によっては有料の場合があります。)。

 申請に対する回答はおおむね即座になされますが、仮に回答が保留された場合は、
72時間以内に回答がなされますので、数時間後に再度ウェブサイトで確認してくださ
い。また、認証が拒否された場合は、最寄りの米国大使館・総領事館で査証申請を行
う必要があります。

 一度認証を受けると2年間(ただし、2年以内にパスポートの期限が切れる場合は、
パスポートの有効期限日まで。)有効となります。ESTAへの申請は無料です。なお、
米国政府は、最近無許可の第三者が模倣ウェブサイトを立ちあげ、情報提供料や申請
手数料をとっていることに対して注意喚起していますので、十分注意してください。

 米国政府は、渡航する72時間前までの申請を勧めていますが、申請自体は、具体的
渡航日程が決まっていなくともできますので、米国への渡航予定がある方は余裕をも
って申請することをお勧めします。

(2)「機械読み取り式でないパスポート」所持者に対する査証免除プログラムの取扱い

 
米国政府は、同国のテロ対策包括法に基づき、2004年10月26日以降、「機械読み取り
式でないパスポート」を所持している外国人(邦人を含む)については、査証免除プ
ログラムの対象外とするとしたことから、「機械読み取り式でないパスポート」を所
持する邦人は、観光等の90日以内の収入を伴わない活動を訪米目的とする場合や、中
南米地域やカナダを訪問するために米国で航空機の乗り換え・乗り継ぎを行う場合で
あっても、米国入国・経由前に査証を取得する必要があります(ただし、グアム・サ
イパンには例外があります)。

 (注)「機械読み取り式でないパスポート」とは、顔写真、旅券番号、氏名、生年
月日等が掲載されているページ下部に「THIS JAPANESE PASSPORT IS NOT MACHINE REA
DABLE」と記載されているもの(旅券面に「所持人自署」を直筆したもの)を指しま
す。

 外務省では、今般の米国政府による新方針導入に対応して、「機械読み取り式でな
いパスポート」をお持ちの国民の方々が「機械読み取り式パスポート」への切替を希
望される場合には、残存有効期間の長さにかかわらず、パスポートの切替の申請を受
け付けることとしております。
 詳しくは、 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/us.html (外務省ホーム
ページ)を御参照ください。

(3)査証の取得

 査証免除プログラムの対象者以外は、入国前に、各国にある米国の大使館又は総領
事館(日本国内では、東京、大阪・神戸、沖縄(那覇)、北海道(札幌))で滞在目
的・期間に合った査証を取得することが必要です。米国政府は、2004年7月より、査証
申請に伴う面接対象者を、「公用(A)査証又は国際機関(G)査証の申請者」及び「8
0歳以上または13歳以下の申請者」を除くすべての申請者に拡大しました。また、申請
者は、両手の人差し指の指紋をスキャナーで電子的に読み取られることとなっていま
す。
 詳しくは、 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/us_visa.html (外務省
ホームページ)及び最寄りの米国大使館、又は総領事館に御照会ください。

入国審査

(1)出入国カード

 
空港等での入国審査では、有効な旅券、航空券とともに所要事項を記入した出入国カ
ード(査証を取得している場合はI-94(白い記入用紙)、査証免除プログラムによる入国
の場合はI-94W(緑色の記入用紙))並びに、署名済みの関税申告書を提示します(出入
国カード及び関税申告書は米国入国に際し利用する航空機、船舶の機内・船内で入手
できます)。なお、出入国カードには、米国内の滞在先の住所を記入する必要があり
ますので、ホテル名だけでなく、その住所を事前に御確認ください。

 入国審査官は、旅券に入国印を押すとともにI-94(又はI-94W)に入国の条件、滞在
期限を記入し、旅券とともに返してくれます。I-94(又はI-94W)は米国滞在中の滞在
資格を明らかにするもので、また、出国の際に提出する必要がありますので、捨てた
り破いたりしないで旅券と一緒に大切に保管しておく必要があります(出国の記録が
正確になされていないと、次回米国に再入国するときにトラブルに遭う可能性があり
ます)。なお、米国出国時(帰国フライトのチェックイン時など)にI-94(又はI-94
W)を航空会社・船会社の職員等に返却せずに出国してしまった場合の手続きについて
は、在日米国大使館のホームページ( http://japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-i
94.html )(日本語)を御参照ください。
 I-94に記載された期限を越えて滞在する場合には、管轄の市民権・移民局(USCIS)
にて所要の手続きを行います(なお、査証の有効期限が残っていてもI-94の期限が切
れていると不法滞在になります)。ただし、I-94W(査証免除プログラムで入国した
方)については記載された滞在期限を越えて滞在することは原則として許可されませ
ん。

(2)US-VISITプログラム

 
米国入国の際には、2004年9月30日より、原則としてすべての外国人渡航者(注)が、
空港、海港における入国審査の際に両手の人差し指の指紋をスキャナーで電子的に読
み取られ、顔写真を撮影されることになっています。この措置は、2004年1月5日から
導入されたUS-VISITプログラムの適用対象を査証免除プログラムの対象者にまで拡大
したものです。また、すべての陸路国境の入国審査においても、同じ措置がとられて
おります。さらに、出国の際も同様の措置が一部の空港、海港で試験的に実施されて
います。
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/us_visit.html (外務省ホームペー
ジ)も御参照ください。

 (注)対象にならないのは、(a)14歳未満の方、(b)80歳以上の方、(c)米国永住
権をお持ちの方、(d)公用・国際機関査証所持者です。

アメリカに滞在していて、メキシコ等の隣接国に一時的に出国し、再入国をする場
合、出国から再入国までがほんの数時間であっても、アメリカ入国時には旅券の提示
が求められ、入国審査が行われます。
 以前には、アメリカのテキサス州エルパソ(メキシコとの国境の町)において、夕
食を食べるためにメキシコに渡った邦人が、夕食後アメリカに再入国しようとして、
旅券不所持及びアメリカ市民権に関する虚偽申告(同人は入国審査でアメリカ市民と
答えた由)の罪で移民局に勾留されるという事例が発生しました。アメリカから陸路
メキシコに渡る場合には、アメリカ側の出国審査もメキシコ側の入国審査も、旅券の
提示を要求しないことが多いようですが、旅券を所持せずにアメリカを出国してしま
うと、アメリカに再入国できなくなるので、出国にあたっては必ず旅券を所持するこ
とが重要です。

 なお、米国移民・帰化法の下では、移民局で、米国市民権を有している等口頭にて
偽りの主張をした外国人は、迅速な強制退去処分の対象となるので、留意が必要で
す。

通貨の持ち込みは自由ですが、現金(米ドル貨、その他の通貨を問わず)、トラベラー
ズ・チェック及びその他の有価証券を合計して1万米ドル以上持ち込む場合には申告が
必要です。申告をしなかった場合、没収を含む民事・刑事罰が科せられることもあり
ます。ただし、申告した所持金に税金等は課せられません。申告用紙は航空機内等で
配られます。なお、出国の際も申告の必要があります。

果物・野菜、肉類(乾燥肉等の入ったカップめんが含まれる)、生魚、銃器、刀剣、麻
薬・覚醒剤、細菌性物質は持ち込むことができません。また、生きている動植物及び
動物製品は、検疫上、輸入が禁止となっているものがあります。

なお、お土産として野生動物の加工品(鯨のヒゲ、狼の毛皮、セイウチの牙等)を購
入後、ワシントン条約(野生動植物の国際取引を規制し、絶滅の恐れのある野生動植
物を保護することを目的とした条約)により日本国内へ持ち込めないことを知り、ト
ラブルとなる例が発生しています。お土産を購入する際は、日本への持ち込みが可能
かどうかを確認するようお勧めします。

2001年9月11日の同時多発テロ以降、空港において非常に厳しいセキュリティー・チェ
ックが行われてきましたが、現在、米国内の空港において国際線・国内線を問わず、
更に強化されたセキュリティ対策が実施されています。そのため、各空港では混雑が
生じ、かなりの時間を要することもあるため、できる限り早く空港へ到着するよう心
掛けてください。

 特に預入荷物に関しては、従来よりも厳格な検査が行われています。乗客が立ち会
いできない場所で荷物の開披検査が行われることもあり、その際、預入荷物が施錠さ
れていれば、鍵を壊して開披されることもありますので、貴重品を預入荷物に入れな
いようにするなど御注意願います。

 2005年4月14日より、一切のライター類の機内持込が禁止されています。また、燃料
の入ったライターは、ごく一部の例外を除き、航空会社への預入荷物の中に含めるこ
とも禁止されています。セキュリティー・チェックにて、ポケットや手荷物内等に所
持していることが判明した場合、その場で没収となります。なお、安全マッチを機内
に持ち込むことは、一定量に限り可能です。ただし、マッチを預入荷物の中に含める
ことは禁止されています。

 また、2006年8月10日以降、液体物やゼリー状の物品の機内持込みが制限されていま
す。9月26日現在、乳幼児が搭乗する場合のベビーフード、処方薬、必要不可欠な非処
方薬、1クォートサイズ(約19cm×約20cm)の透明な密閉式ビニール袋1枚(約0.95リ
ットル)に入った3オンス(約90ml、約85g)以下の化粧品・衛生用品、及び空港の保
安検査場を過ぎた後で購入した飲料などは、液体・ゼリー状・エアゾール類であって
も機内持込みが認められています。

 機内持込禁止・制限物品については、随時追加・変更されることが予想されますの
で、最新情報の取得を心掛けてください。
 詳しくは、連邦運輸保安局のホームページ(英語)を御参照願います
 (http://www.tsa.gov/travelers/airtravel/prohibited/permitted-prohibited-it
ems.shtm )。

(査証等につきより詳細な情報を知りたい方は、日本国内にある米国大使館(電話:0
3-3224-5000)または総領事館にお問い合わせください。)