海外旅行時の携帯医薬品

本日は、パスポートと同じぐらい重要な「薬」について。
特に持病などでお悩みの方は、現地で同じ成分のものが入手できるかどうか
定かではありませんので、渡航準備の際はくれぐれもお忘れないように。

また渡航先によって持ってゆくべき携行薬品も変わりますので、
下記をぜひご参照ください。

携帯医薬品

 海外では医薬分業(病院と薬局が別れている)が進んでいる場合が多く、
日本のように簡単に薬を購入することができないことがあります(もちろん、
ドラッグストア-などでは購入できる薬も多くあります)。
 また、購入できたとしても地域によっては保管状態が悪い場合や何に効くのか
わからない薬もあり、病院で診察を受けて処方箋をわざわざもらう手間を考えれば、日本であらかじめ揃えておく方が良いでしょう。
 ただし、漫然とした長期間の連続使用は薬の効果が薄れるばかりではなく、
重大な副作用を引き起こす事もありますので注意が必要です。
 携帯する医薬品はあくまで緊急時に用いる一つの手段に過ぎません。
 『これは危ない』と思ったら現地の信頼のおける病院または、医師の診察を
受けるようにしましょう。

 携帯する医薬品については渡航する国や期間によって異なりますので、
いくつかのケースごとに必要と思われるものを記載します。

(1)旅行-タイプ1

都市部・一般観光地・リゾ-ト地で感染症が少ない地域
対象地域 : 欧州・北米・オセアニア

風邪薬 : 総合感冒薬、解熱鎮痛剤
胃腸薬 : 一般胃腸薬、整腸剤
その他 : 酔い止め、救急絆創膏

(2)旅行-タイプ2

都市部・一般観光地・リゾ-ト地で感染症がある地域
対象地域 : アジア・中近東・アフリカの一部(エジプト・ナイロビ・南アフリカ・
      モロッコ)・南米の一部(アルゼンチン)

風邪薬 : 総合感冒薬、解熱鎮痛剤
胃腸薬 : 一般胃腸薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬
その他 : 酔い止め、痒み止め、消毒液、イソジン、救急絆創膏、防虫スプレ-、
     蚊取線香(マラリアやデング熱流行地域で必要)

(3)旅行-タイプ3

感染症が多い地域
対象地域 : アフリカ全域・中南米

風邪薬 : 総合感冒薬、解熱鎮痛剤
胃腸薬 : 一般胃腸薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬
マラリア予防薬 : クロロキン、メフロキン(耐性株があるので注意。
現地で購入しなければならないが、耐性については購入の際、確認すること。
また、帰国後6週間は飲む必要があることを忘れずに)
*服用については副作用に注意。

その他 : 酔い止め、痒み止め、消毒液、イソジン、救急絆創膏や絆創膏、
防虫スプレ-、蚊取線香、伸縮包帯、滅菌ガ-ゼ、脱脂綿、体温計、ハサミ、
ピンセット、毛抜き。

(4)旅行-タイプ4

(冒険旅行/未開地踏破型) 感染症の蔓延している地域
対象地域 : アジア(山間部、森林地帯)・アフリカ・南米(山間部、森林地帯)

風邪薬 : 総合感冒薬、解熱鎮痛剤
胃腸薬 : 一般胃腸薬、整腸剤、下痢止め、便秘薬
マラリア予防薬 : クロロキン、メフロキン(耐性株があるので注意。
現地で購入しなければならないが、耐性については購入の際、確認すること。
また、帰国後6週間は飲む必要があることを忘れずに)
*服用については副作用に注意。

その他 : 酔い止め、痒み止め、消毒液、イソジン、救急絆創膏や絆創膏、
防虫スプレー、蚊取線香、伸縮包帯、湿布薬、目薬、滅菌ガ-ゼ、脱脂綿、体温計、ハサミ、ピンセット、毛抜き。毒蛇咬症用救急セット(入手可能なら持参することを
お勧めします-アウトドアグッズの店に置いている場合がある)

※税関でのトラブルに注意

 風邪薬や鎮痛剤の中で粉薬(散剤)や水薬(液剤)は少量の麻薬や劇薬の類いが
含まれていることがあり入国の際に税関でトラブルになることがありますので注意
してください。極端な例では禁固刑や死刑の判決が下されたこともあります。
 持病のために麻薬などが含まれた薬が必要であれば、医師の英文の処方箋が必要
となります。

※海外で薬を入手する際の注意点

(1) 外国では日本のような総合感冒薬は販売されていない。
(2) 欧米やアフリカなど、海外で販売されている薬品(特に解熱薬、鎮痛薬)は
  日本人には強すぎる場合が多い。