マレーシアでの安全の手引き#1

ロングステイ財団、認定アドバイザーがご案内します海外旅行、留学、駐在、ワーホリなどのロングステイと海外旅行の情報案内。

本日は引き続き、外務省在マレーシア日本国大使館より2013年に発表されております「マレーシアでの安全の手引き#1」についてのご案内です。

ロングステイ先でも大変人気のあるマレーシアの治安状況の把握や、海外旅行保険、留学保険、駐在保険などの加入へのご参考にしていただき、くれぐれも現地での滞在にはご注意下さい。

※このブログの情報ソースについて、当発信者が外務省等へ著作権の確認と、

文章引用について関係部署への報告・確認を行い、皆様方にご案内しております。

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【日本とマレーシアの犯罪発生率の比較】

2011年、マレーシアでは、約15万8千件の主要な犯罪(知能犯罪、薬物犯罪等を除く殺人、強盗、強姦、傷害、窃盗)を認知(警察が届け出を受理)しました。

日本とマレーシアの犯罪統計(2011年)に基づき、また、殺人と強盗を例にとって、その件数を「人口10万人当たりの発生率」(以下「発生率」という。)に換算して、説明すると次の通りです。
殺人マレーシアでは年間446件の殺人事件を認知。一方、日本では、1,051件の殺人事件を認知。発生率で比較するとマレーシアは日本の約2倍。強盗マレーシアでは年間約20,014件の強盗事件を認知。一方、日本では3,673件の強盗事件を認知。発生率で比較するとマレーシアは日本の約25倍。

【最近の邦人被害事例と教訓】

・被害事例 いかさま賭博
・置き引き
・ひったくり
・スリ(集団スリ)
・路上強盗
・自動車強盗(自動車事故を偽装)
・給油中の強盗
・自動車の部品盗
・企業事務所等への窃盗・強盗
・偽装警察官によるスリ被害
・ホテルの室内荒らし
・クレジットカード偽造犯罪
・その他の事例

【被害事例】

いかさま賭博マレーシア国内の主な都市であるKL、ペナン、マラッカ、ジョホールバル、コタキナバルなどの地域では、日本人旅行者を狙った詐欺賭博事件が跡を絶ちません。「日本人は、警戒心が薄くてだましやすく、お金を沢山持ち歩いている」との認識があるため、犯罪の対象として狙われやすくなっており、男女問わず被害にあっています。

典型的な例としては、観光地にて「今度私の妹が日本に留学するので、日本の話を聞かせて欲しい。一緒に自分の家へ行こう」などと言って近づきます。

その家へ行くと数人の一味が待っており、言葉巧みにトランプのブラック・ジャックの賭博に引き込み、多くの場合、いかさまにより賭には勝つものの最後の勝負で多額の現金やクレジット・カードで購入させられた貴金属を掛け金として強要され、最後には騙し取られるというものです。最初に声をかけてくる者は、男女ペア、母と娘風の女性二人組、男性単独であったりと様々です。

知り合ったばかりにもかかわらず、「家へ行こう」、「マレー料理をご馳走してあげる」、などの言動をする人物には、「NO」という毅然とした態度を示し、決して曖昧な態度や隙をみせないことが、事件に巻き込まれない重要なポイントです。
なお当国では、賭博は犯罪行為です。外国にいるという解放感に付け込む犯罪者の手口に乗せられないよう十分ご注意下さい。

置き引き空港、ホテル、飲食店等随所で発生しており、喫茶店などで歓談中、空いている座席や椅子の下に置いてあったバッグがいつの間にかなくなっていた、といったケースやレストラン等で席を外したわずかの間に、座席に置いたバッグを盗まれる、といったケースが散見され、見知らぬ人物から声を掛けられ、そちらに気をとられている間に、傍らのバッグなどを盗まれるケースもあります。

ひったくり歩行中、走り寄ってきたオートバイに乗った人物等に持物をひったくられるケースが、KL市内等マレーシア国内の都市部随所で頻発しています。転倒し、または引きずられて思わぬ怪我を負うこともあります。

一度狙われてしまうと逃がれることが難しい犯罪の一つかと思われますが、常に、ターゲットになっていないかどうかを自問しながら、目と耳を使って周囲の状況に目をやりながら歩行することが肝要です。歩行する際には、バッグなどを車道側に持たないようにすることも予防策のひとつで、特に、オートバイには要注意です。

スリ(集団スリ)ショッピング・モール等、人の集まる場所にあるエスカレーターの降り口付近やエレベーターの中などで、複数の男等に取り囲まれ、所持していたバッグなどから金品を奪われる(スリとられる)ケースが発生しています。

また、集団スリの手口としては、混み合う路線バス車内等において、何者かがわざと小銭を落とし、周囲の数名がこれを拾う振りをしながら、乗客のバッグを開けて金品を奪う、といったものもあります。これは当地警察当局では「コイン・ドロップ盗」と呼ばれています。中には若い女性をターゲットに、足下に小銭をまいては猥褻な行為を働く集団もある模様で、十分な注意が必要です。

路上強盗繁華街の付近の路地裏等を歩行中、突然現れた人物に、刃物のようなものを突きつけられたりして、所持していたバッグやカメラ等を奪われる、といった事件です。特に人気のない裏通りや夜間、早朝の一人歩きはできる限り避けましょう。

また、銀行やATMでの引き出し等、第三者から見て多額の現金等を所持していると思われるような行動をとる場合には、特に十分な注意と配慮が必要です。自動車強盗(交通事故を偽装)道路を走行中、後続の車両から軽く追突され、事故処理のため路肩に停車したところ、相手車両から降りてきた複数の男から刃物を突きつけられるなどして脅迫され、車両を強奪される事案が複数回発生しています。

走行中に追突されるなど、不自然な形での事故の場合や相手車両に男ばかり複数乗車している場合等は、すぐに車両から降車せず、相手の動静を確認しつつ、車両ナンバーや人相等をメモし、少しでも不審な点があれば、ガソリンスタンド等へ移動したり、警察等が到着してから降車する等、十分な注意が必要です。また降車する場合は、盗難防止のため鍵を抜き、ドアロックをしておきましょう。

給油中の強盗夜間や早朝のガソリンスタンド内で給油しようとして、数名の者に刃物を突きつけられるなどして脅かされ、車や財布を奪われるという事件が発生しています。犯人は、ガソリンスタンド内外にバイクや車をとめて待機し犯行に及びます。他の給油客やガソリンスタンドの従業員がいても被害にあっていますので、夜間や早朝の給油は避けつつ、昼間であっても給油前に付近に不審な者やバイク、車がいないかよく確認した後給油を行うことが肝要です。車を運転中の窃盗・強盗信号待ちや渋滞で停車している間にバイク(二人乗り)に乗った犯人から窓ガラス(助手席側が多い)を割られ、助手席の上に置いたバックを奪われる事件も発生しています。助手席等の目立つところには物を置かず、バイクの動きに注意して下さい。

車の窓ガラスに飛散防止用フィルムを貼ると盗難や怪我の防止につながります。自動車の部品盗マレーシアにおいては、自動車の盗難や車内に置いてある金品の盗難も発生していますが、自動車の部品盗もあります。自動車は、日本に比べて大変高価なものであり、バンパーやカー・ステレオ、あるいはエンブレムなどの部品も、かなりの金額で売りさばけるようです。

こうした被害に遭わないためには、車を駐車する場合は出入りチェックなどのしっかりした駐車場を利用し、施錠を確実にしておくと共に、車内には貴重品に限らず、ものを一切置いたままにしないようすることが大切です。

企業事務所等への窃盗・強盗数名の窃盗・強盗団が、企業の事務所や倉庫に侵入し、保管中の製品等を奪ったりする事件が発生しています。特に、建物・事務所の警備をはじめ、防犯設備等について見直しを行うとともに、社員(現地人従業員を含む)の防犯に対する意識向上を図るなど、具体的な安全対策措置を講ずることが必要です。偽装警察官によるスリ被害「警察だが、危険物を所持している疑いがあるので、持ち物を検査させて欲しい。」などと声をかけてくる2、3人組の男等に、財布やバッグ等所持品をとられる事件です。

手荷物検査を装い、巧妙に財布の中味を奪うケースもあります。なお、警察官と称する人物は私服である場合がほとんどですが、事件の中には、制服を着用して犯行に及ぶ手の込んだ例もあると言われています。少しでも不審な場合は、警察官の身分証明証や所属、部署などを確認することが肝要です。ホテルの室内荒らしホテルに宿泊中、合鍵等を使って室内に侵入し金品を盗むという事件が発生しています。

一流ホテルといえども安心はできません。外出の際は「貴重品は室内に残さない」ことが第一です。セイフティ・ボックスを活用することも一案ですが、セイフティ・ボックスに入れて置いた貴重品を、ボックスごと盗まれてしまうという事例もあります。クレジット・カード偽造犯罪この犯罪は、クレジット・カードで支払いの際に、仕掛けがされたカード読みとり用端末等に店員が客のカードを通すことにより、カードの磁気情報が不正に抜き取られ、別の偽造カードにその磁気情報が移し替えられて不正に使用されるもので、国際的な犯罪組織が関与しているとも言われています。

カードの盗難や紛失であればすぐに対応措置をとることが出来ますが、スキミングはカード会社からの請求があるまで気がつかないことが一般的です。このカード偽造による被害を避けるためには、カードを常に手元に保管して信用のおける店でのみ使用し、カードを使用する際には、必ず目の前でその取扱いを確認することが重要です。

また、カード会社からの請求は、速やかに確認し、不審な点があれば、カード会社に直ぐに連絡する必要があります。

【実際に現地で起こった犯罪事例】

①団体旅行添乗員A氏は、ホテルのロビーで電話を掛けている間に客のパスポートなどを入れていたバッグを盗まれた。
②旅行者B氏は、ゴルフプレー中、ゴルフバッグに入れていた貴重品入れを盗まれた。
③旅行者C夫人は、夫と散歩中、後方から近づいてきたオートバイに乗った2人連れにハンドバッグをひったくられた。
④旅行者D氏は、空港の雑踏内でちょっと目を離した隙に、スーツケースの上に置いていた貴重品入れを盗まれた。
⑤在留邦人E氏は、ナイト・マーケットに買い物に行き自動車を路上駐車していたところ窓がこじ開けられ、車内に置いていた現金、小切手を盗まれた。
⑥在留邦人F氏は、自宅で就寝中、鍵を閉め忘れたトイレの窓から賊に侵入され、居間に置いていたバッグから現金を盗まれた。
⑦在留邦人G氏は、自宅に在宅中、電気メーターの検針員を装った男にいきなり刃物を突きつけられ、現金を強奪された。
⑧在留邦人H氏は、早朝、出勤のため、自宅を出たところで、待ち伏せしていたと思われる男に突然襲いかかられて、もみ合いとなった。犯人がナイフを隠しもっていたため、手のひらに切り傷を負って転倒した上、足にも擦過傷を負った。
⑨在留邦人I氏は、自家用車で帰宅した際に、自宅駐車場で、後を追って来たと思われる数名の賊に突然乱入され、貴重品の入っているカバンを強奪された。
⑩在留邦人J氏は、単身でテラス・ハウスに住んでいたが、会社へ出勤中に何者かに自宅へ侵入されて、貴重品を盗まれた。
⑪在留邦人K氏は、自家用車で自宅(一戸建て)に戻り、駐車のために門扉を開けていたところ、自家用車を強奪された。
⑫在留邦人L氏は、銀行で現金を引き下ろした後、自宅コンドミニアムの駐車場にて後を付けてきた男に襲われた。

上記事例の通り、海外に滞在しているという自覚のもと、現地治安状況をしっかり把握しお過ごしいただくようご注意ください。

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